技術系力学公式集(熱力学)
- よく使う単位
- 仕事
- 熱量
- 熱力学第0法則
- 熱力学第1法則
- 熱力学第2法則
- エンタルピとは
- エネルギー保存
- ボイルの法則
- シャルルの法則
- ボイルシャルルの法則
- 気体の状態変化
- ポリトロープ指数
- 1モルの標準状態
- ダルトンの法則
- 気体の状態方程式
- 気体定数
- サイクル
- エクセルギー
- 空燃比
- 燃空比
- 理論空気量
- 空気過剰率
- 当量比
- 理論的空燃比
- 発熱
- 熱伝導
- 対流伝熱
- 熱抵抗
- 温度境界層
- 輻射伝熱
- 黒体、黒体面
- 放射エネルギー
- ステファンボルツマンの法則
- 灰色体、灰色面
- 物体の温度が一定ということは・・・(キルヒホッフの法則)
- 熱交換器
よく使う単位
名称 | 記号 | 単位 | 備考 |
---|---|---|---|
熱量 | ジュール | 1cal=4.2J | |
力 | ニュートン | [1kgを 1に加速] | |
圧力 | パスカル | ||
動力 | W | ||
熱容量 | |||
比熱 | |||
熱流束 | |||
熱伝導率 | |||
温度伝導率 | 熱伝導率を密度と定圧比熱で割ったもので大きいほど熱が伝わりやすい | ||
熱伝達率 | |||
熱通過率 | |||
エントロピ | |||
エンタルピ | H=U + PV | ||
電気使用率 | *1 |
仕事
仕事=力×距離
1Nは1kgの物体を に加速させる力。
仕事÷時間=仕事率、動力
熱量
熱量=質量×比熱×温度変化量
c:比熱
1gの純水を1℃高める熱量
4.1868J =1cal
圧力一定
定圧比熱:
体積一定
定容比熱:
マイヤーの式
比熱比
標準状態の水の体積
原子結合による比熱比の差
結合原子数 | 比熱比 |
---|---|
単原子 | |
2原子 | |
多原子 |
熱力学第0法則
熱は高いところから低いところに行くだけ。
熱力学第1法則
エネルギー保存
dQ=dU+PdV
dQ=dH-VdP
熱力学第2法則
熱を100%仕事に変換することはできない。
エンタルピとは
内部エネルギーと圧力の持つエネルギーであるため、エネルギーは保存される。
H=U+PV [J]
h=u+pv [J/kg]
テスト等では[kJ/kg]の問題が多いので注意
エネルギー保存
気体が持つ全体のエネルギーは保存されるため
エンタルピー+運動エネルギー+位置エネルギー=constとなる。
全体のエネルギーをEとし、熱量Qを加えた時に仕事Lを取り出せたとすると。
初期状態を1とすると
となる
すなわち仕事は加えた熱量から内部エネルギーの変化量を引いた分となる。
ここから、運動エネルギー及び位置エネルギーの変化がないとするとE=Hとなるため
は基本的にマイナスの値をとる。
となる
ボイルの法則
PV=const
シャルルの法則
T=273.15+温度[℃]
ボイルシャルルの法則
気体の状態変化
変化名称 | ポリトロープ指数 | 状態計算 | 仕事及び内部エネルギー |
---|---|---|---|
等圧変化 | |||
等温変化 | |
||
等容変化 | |||
断熱変化 |
ポリトロープ指数
以下式に該当する状態変化のポリトロープ指数を代入することで、気体の状態を計算することができる。
変化名称 | ポリトロープ指数 |
---|---|
等圧変化 | |
等温変化 | |
等容変化 | |
断熱変化 |
1モルの標準状態
(1気圧、0℃)=22.4L
ダルトンの法則
理想気体を混合した時、混合後の圧力(全圧)は、混合前に存在した時の圧力(分圧)の和に等しくなる。
気体の状態方程式
m[kg]
n[mol]
気体定数
サイクル
サイクル名 | サイクル | 効率 | 備考 |
---|---|---|---|
カルノーサイクル | ①等温膨張 ②断熱膨張 ③等温圧縮 ④断熱圧縮 | ||
オットーサイクル | ①断熱圧縮 ②等容加熱 ③断熱膨張 ④等容放熱 |
, 圧縮比が大きいほど、比熱比が大きいほど効率UP |
|
ディーゼルサイクル | ①断熱圧縮 ②等圧加熱 ③断熱膨張 ④等容放熱 |
を締切比と呼ぶ。 |
|
ランキンサイクル | ①断熱圧縮 ②等圧加熱 ③断熱膨張 ④等圧放熱 |
エクセルギー
全エネルギー内の理論上取り出せる仕事量のことで、高温部の熱量とカルノーサイクルをかけたものを言う。
しかしエクセルギー全てを利用することはできないため、どれだけエクセルギーを使用できたか表す指標を有効エクセルギーという。
有効エクセルギー効率は(実際に得られる仕事÷エクセルギー)で求められる。
空燃比
空気質量を燃料質量で割った無次元量
燃空比
燃料質量を空気質量で割った無次元量
理論空気量
燃料を完全燃焼されるために必要な空気量
空気過剰率
使用空気量/理論空気量=空気比(空気過剰量)
当量比
空気過剰量の逆数
理論的空燃比
使用空気量と理論空気量が同じの状態を理論的空燃比と呼ぶ
発熱
低発熱量=高発熱量ー水蒸気の凝縮潜熱と水の蒸気の量
熱伝導
mmt726zushi-engineer.hatenablog.jp
対流伝熱
温度の異なる流れを生じた流体により、固体の熱量が移動する現象。
熱抵抗
物体の熱伝導、熱伝達率、厚さなどを考慮し、熱の移動を抵抗として捉える考え方。
電気の抵抗と同様に熱抵抗は以下の式により求められる。
熱伝導により伝わる熱量の式は以下となるため
熱伝達により伝わる熱量の式は以下となるため
熱抵抗の合成
この合成抵抗が大きいほど断熱性が高いと判断できる。
温度境界層
対流電熱の際に流体 の温度が固体 の温度まで変化している層のこと
輻射伝熱
物体からの放射(波)により熱が伝わることをいう。 対流がないにもかかわらず熱の移動が発生する物を言う。
ハロゲンヒーターをイメージするとわかりやすいかと。
黒体、黒体面
全体波長のエネルギーを反射せず吸収できる理想物体であり、最も多く放射エネルギーも放出する。
放射エネルギー
プランクの法則より黒体が絶対温度Tであった時の波長λのエネルギーを以下の式で示すことができる。
ステファンボルツマンの法則
放射エネルギーを求めるプランクの法則は定められた波長λのみのエネルギーとなるため
全エネルギーを求める場合に用いる
放射エネルギーは温度の4乗に比例する。
この をステファンボルツマン定数という。
灰色体、灰色面
下の式に示す理論上の黒体との放射エネルギーの割合を放射率と言い、このような物体を灰色体と呼ぶ。
物体の温度が一定ということは・・・(キルヒホッフの法則)
吸収する熱量と、放射する熱量が同じということ。
これをキルヒホッフの法則という
熱交換器
高温流体と低温流体の熱を交換する熱交換器の移動する熱量は以下の式で求められる。
並流式と向流式があり を求める式が異なる。
並流式
高温流体と低温流体が同じ方向に流れる間に熱交換を行う方式
高温入口温度ー低温入口温度
高温出口温度ー低温出口温度
向流式
高温流体と低温流体が逆方向に流れる間に熱交換を行う方式
高温入口温度ー低温出口温度
高温出口温度ー低温入口温度
平流式よりも が大きく熱交換による熱の移動量が大きくなる。
*1:例:10[Wh]とは10Wを1時間使用した場合の電力量。すなわち10[Wh]=10[W]×3600[s]=36000[J]=36[kJ]に等しい